2025年12月24日
相続・遺言
複数の遺言、どちらが有効?
先日、父が亡くなりました。父の遺品を整理していると、遺言書を2通発見しました。1通は公正証書遺言ですが、もう1通は自筆の遺言書でした。どちらの遺言が有効なのでしょうか?
民法1023条1項は、「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。」と規定しています。
つまり、前の遺言と後の遺言の内容が矛盾する部分は、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。そのため、複数の遺言書が発見された場合には、後の遺言すなわち新しく作成された遺言書が有効となります。これには自筆証書遺言であるのか公正証書遺言であるのかといった作成形式による違いはありません。たとえ公正証書遺言であっても、それより後に作成された有効な自筆証書遺言が優先することになります。遺言は、遺言者の最後の意思を尊重するという制度であるため、遺言の形式よりも、遺言の作成時期を重視して判断するためです。
以前に作成した遺言書を撤回して新たな遺言書を作成する場合には、争いを避けるために、新しい遺言書に、従前に作成した遺言を撤回することを明記すべきでしょう。遺言書の作成は複雑です。以前に作成した遺言書を撤回して新たな遺言書の作成を検討されている方は、弁護士ご相談ください。