私は、毎月２０時間以上の残業をしています。会社に残業代の請求をしたところ、基本給の３０万円に残業代も含まれていると言われました。
残業代を支払ってもらえないのでしょうか。

会社は、労働者が実際に残業した時間に応じて、基本給とは別に残業代を支払わなければならないのが原則です。基本給に残業代が含まれているという会社の主張が有効といえるためには、基本給の中で、通常の労働時間に対する部分と、残業代にあたる部分が明確に区分されて判別できることが必要です。

たとえば、雇用契約書などで、基本給３０万円のうち、本来の基本給２５万円、残業代５万円などと明確に区分されていれば、残業代の支払として有効となる可能性があるでしょう。他方で、就業規則などで、残業代は基本給に含まれていると記されているだけでは、通常の労働時間に対する部分と残業代にあたる部分が明確に区分されておらず判別できないので、残業代の支払として有効とはいえないでしょう。

残業代の計算は複雑であり、固定残業代制度はさらに複雑です。会社が固定残業代を濫用して、残業代を支払わないという問題が横行しています。固定残業代や残業代未払でお困りの方は、天王寺きずな法律事務所の弁護士にご相談ください。