長時間労働を想定した固定残業代は有効?

長時間労働を想定した固定残業代は有効?

会社からは、基本給とは別に毎月12万円の勤務手当が支払われています。私は、毎月80時間近くの残業をしています。
会社に残業代の請求をしたところ、勤務手当が残業代に当たると言われました。たしかに、雇用契約書には、勤務手当は月80時間の時間外手当として支払うと明記されていました。残業代を支払ってもらえないのでしょうか。


定額の手当を残業代として支払う制度を固定残業代制度といいます。定額の手当が残業の対価として支払われるものでなければ、固定残業代制度は有効とはいえません。具体的には、雇用契約書の記載内容、労働者への説明、手当の支給の趣旨や実態などから判断されます。そのため、雇用契約書に、勤務手当が残業代に相当する旨の記載があれば、固定残業代として有効ともいえそうです。

もっとも、長時間労働を想定した固定残業代は、公序良俗に反して無効だと言われています。たとえば、毎月80時間分の時間外労働に対して固定残業代を支給すると雇用契約書に明記されていたとしても、それは、労働基準法が定める時間外労働の上限規制(月45時間)を大幅に上回るものであり、かつ、いわゆる過労死ラインに相当するものであるため、公序良俗に反し無効とされる可能性が高いでしょう。その結果、固定残業代として有効とはいえず、残業代が支払われなければなりません。

固定残業代制度は難解です。固定残業代や長時間労働でお困りの方は、天王寺きずな法律事務所の弁護士にご相談ください。